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2023/01/09 10:41

何か作品を作るとき、私はナチュラルな牛ヌメ革を染めるところから始めます。

革は牛さんからいただいた大切なもの。そして、牛さん一頭一頭に個性があるので、革にも個性があります。私たち人間の肌の色も、一人ひとり違うように、牛革の色も違います。

微妙に違う牛革を同じ色で染めていっても、できあがりの色は微妙に違うものになります。染めてみないとどうなるかわかりません。そこが面白いところです。

色を混ぜ、少しずつ染めていく。一気に全部同じ色に染めることはありません。隣同士の違う色が混ざったときの色がなんとも言えずいい感じになります。真っ白な紙に染めたときとは違います。革は生きています。個性のある牛革と色とのミックスは、二度と会えない不思議で楽しい色合いになります。

私は、自分が気持ちよく楽しく染めることを大切にしています。ものづくりは怖いところがあって、作っている人気持ちが入ります。楽しく作っていると、楽しさが買ってくださった人に一緒に届きます。本当に不思議なものです。だから、つまらない気分だったり、悲しい気分だったり、そんなときは作りません。

それでは、ずっと悲しい気分だったらずっと作れないのかと思われるかもしれませんが、これがものづくりの不思議なところで、悲しい気分は続きません。ものを作ることはとても楽しい作業だからです。自然と楽しい気持ちになれます。

なかなか思うように染まらず、厳しい側面もありますが、そのような苦労もまた楽し、です。

今日も楽しい気分で染めあがりました。これが乾くと少し違った感じになるので、乾くまで待つとしましょう。これはボックス型のペンケースとなります。

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